2007年5月29日火曜日

エクセル再入門 基本①

mic: つーちゃんは最初の頃、計算の清書にエクセルを使ってたんでしょ?

つー: だって、計算は手書きと電卓の方が速かったんだもん。人に見せるのは活字の方がカッコイイし。

mic: でも、今では計算式を入力してエクセルに計算させているんでしょ?

つー: 結局その方が早いし、間違いが少ないのよね。

mic: そこが重要です。手書きの計算書は単純で手っ取り早いですが、ちょっと修正しようと思うと遡って再計算しないといけません。エクセルなどの表計算ソフトは自動で再計算してくれますので、修正に伴う再計算ミスが少なくなります。

    エクセルの基本は集計計算です。サム記号(Σ)ボタンを押すと、そのセル(枠)に「SUM()」という関数が入力されて、どのセルを集計するかを指定する選択範囲が表示されます。で、表を先に作っておいてその横とか下とかに「SUM()」を入力すると数字が入っている横なり上なりのセルを自動的に選択してくれます。便利ですね。でも、そうじゃないときは指定しなおさないといけません。

    セルにはそれぞれ番号がついています。例えばシートの左上の角はA1、その一つ下はA2のように行を表すアルファベットと列を表す数字でセルを指定します。計算式とはそのセルに表示させたい数字をどこから参照してどんな計算をするかを表現したものです。

    計算式の構造

    = 式1 式2 ・・・

    「=」は「このセルの値は」という意味
    「式1」「式2」はエクセルの文法によって表現された数式

    「式」には「+,-,*,/」の加減乗除や、()による優先計算の他に、関数と呼ばれる便利な機能が使えます。

つー: カンスウ…これが解らないのよ。数学が嫌いになったのはこのカンスウのせいなんだから!

mic: そんな難しいもんじゃないよ。ある数字を渡したら、ルールにそった答えが返ってくるだけだよ。集計関数も、ここからここまでの数字を足した答えを返すだけでしょ?だから、次の計算式は同じ結果を表示します。

    =SUM(A1:A10)
    =A1+A2+A3+A4+A5+A6+A7+A8+A9+A10

    SUM()を使った方が短くて簡単でしょ?他にも最小値や最大値、平均値を答える関数や、SIN・COSなんかの算術関数なんかもたくさん使えます。

つー: サインコサインは習ってないの!普通使わないし。

mic: 別に無理して使う必要はありません。必要な関数を上手に使ってください。

まとめ:

    ・セルには番号が付いていて、計算式ではそれを使って範囲指定する。
    ・計算式は「=」で始まって、式を文法どおりに記述する。
    ・式には加減乗除や()、関数が使える。

2007年5月25日金曜日

パソコン用語の基礎知識 「パソコン」の意味

mic: 今日は変な用語の使い方についてビシッと指摘します。

つー: タイトルは「パソコン」だけど、こんな言葉を間違って使うことってあるの?

mic: 結構、へんな使い方をみんなしてますよ。例えば、就職活動のときに会社の面接で、「特技はなんですか?」と聞かれて、「パソコンを少々」なんて答えたり、パソコンを使いこなしてる人を「彼はパソコンが得意だね」と評したり。

つー: どこが変なのよ。ふつーに使うわよ。

mic: 言葉狩りをしてもしょうがないですが、こういう表現をする人は大抵パソコンについてよく知らない人です。「パソコン」とは「パーソナルコンピュータ」の事ですよね。いろいろ便利に使える電気製品です。つまりモノの一般名称です。たとえていうと「自動車」とか「パチンコ台」と同じです。

    「あなたの趣味は何ですか?」と聞かれて「自動車を少々」とか「パチンコ台が得意です」という会話はおかしいでしょ?こういう会話が「パソコン」ではなぜか成立してるんです。

つー: たとえると確かに変ね。「自動車でドライブする」とか「パチンコを打つ事です」じゃないと会話が成立しないわね。

mic: 今の「パソコン」という言葉の持つ意味は大変多くて、大括りのジャンルとして使われるケースが多いということなんです。で、私なんかは違和感を感じてるんです。

つー: 変なことにこだわってるわね。みんながそれで理解できるならいいんじゃない?言葉ってそんなものよ。

mic: 結構困るんです。開発部隊にパソコンが使えるという触れ込みで配属された新人さんが、実はオフィスソフトの操作ができるレベルで、結局イロハから勉強しないといけなかったとか、トラブルシュートするときにパソコン自作経験のある人に任せたら、組み立てとソフトのインストール専門家で、メンテはカラッキシだったとか。パソコンの使いこなしのレベルがよくわかるような表現は無いのかしらと思います。

つー: 初心者や中級者じゃだめなの?

mic: 自動車にたとえると、スポーツカーで峠を攻めるのが得意な人とか、整備士ですとか、プロレーサーですとか、クラッシックカーマニアだとか、カスタムカー命の人とかいろんなジャンルがあるでしょ?

    パソコンだと、アプリの使いこなしが得意とか、ハードの仕組みに詳しいとか、開発したことがあるとか、ネットワークの専門家だとか、これまたジャンルが広いんです。

    パソコン情報誌かなんかで、パソコンに関するスキルをうまく表現する呼び方を標準化してほしいな。ビギナー、ウィザード、ハッカーなんてバタ臭い呼び名は恥ずかしいのでもっと日本人にあった呼び方がいいな。

つー: じゃあ、私のスキルはどう表現すればいいのかしら?

mic: 強いていえば「エクセル・ワードが使いこなせる美人OL」ってとこかな。

つー: 何もでませんよ!

まとめ:

 ・「パソコンが得意」とか「パソコンが上手」とか、「パソコン」を行為を表す言葉として使うとカッコ悪いと私は思います。

2007年5月20日日曜日

パソコンの作法 保険をかけましょう その2

つー: 文書の保存先がCドライブでは危ないという話があったけど、実際にはどうすればいいの?

mic: 人によっていろいろやり方があると思うけど、私が薦めるのは、Cドライブ以外にフォルダを作って、そこに保存する方法です。Cドライブはウィンドウズ本体とアプリをインストールするだけにしたほうが身のためです。

    マイコンピュータフォルダを開いてみて、Cドライブ以外にHDDのアイコンがあればそこに、なければ後付でHDDやUSBメモリを増設して、データ専用ドライブにします。なければ仕方ないので通常の「マイドキュメント」以下に保存しましょう。このときも、やはり外付けHDDかUSBメモリーを購入して、定期的に「マイドキュメント」フォルダごとコピーします。

    私のパソコンを例にすると、D:\MY_DATA\というフォルダを作って、その下に文書や画像のフォルダを作って、それぞれ用途や日付ごとにフォルダを階層構造で作って保存しています。このD:\MY_DATA\を月に一度程度外付け120GB-HDDにコピーしています。

    会社のパソコンの場合は、ファイルサーバーの自分のディレクトリに文書を保存していますが、朝一番にUSBメモリーに同期をとって万が一に備えています。うちのファイルサーバーはただのファイル置き場で、定期的なバックアップはしてないからなぁ。まあ、私が「ナンチャッテ管理者」だもんね。

つー: え~?ちゃんと管理しなさいよ。私のパソコンの場合はネットワークコンピュータの私のフォルダに保存するようにすればいいのね。きちんとバックアップしてよね。

mic: ところで、つーちゃんは保存するとき名前はどんな風に付けてるかな?

つー: 普通に中身がわかるように付けてるわよ。

mic: えらい!それが正解です。一目で何のファイルかがわかるように保存してください。それじゃあ、以前の文書を使いまわして新しい文書にしたときは、どんな名前にしてる?

つー: えーと、前の文書を開いて、変更して、印刷して、「閉じる」ボタンを押したら、「保存しますか」と聞かれるから、「はい」ボタンを押して終了するわね。

mic: と言うことは上書き保存してるんだね。じゃあ、元に戻したいときはどうするの?

つー: 印刷したものがあればそれを見て直すわよ。でもほとんど一回限りの物が多いから別に困らないわよ。

mic: 昔はHDDの容量が少なかったから、昔のファイルはすぐ消してました。でも今は十分な容量があるので、せっかく作った文書はできるだけ残すようにしましょう。そのときに似たような名前になっちゃうときは、名前の最後に作成年月日を入れれば後々再利用するときに便利です。と言うのも、人間の記憶は時系列だと思い出しやすいそうなんです。

    例えば「報告書20070520.doc」。先頭の表題や開催日、出席者を上書きして、内容も最新の内容に替えれば、スタイルや様式が統一された議事録が毎回作成できます。テンプレートに登録しても良いんですが面倒なので使いまわしてます。

    あと、以前の文書やファイルを残しておくのは、過去に何があったかの証拠にもなりますので、うっかり上書きしないように気をつけましょう。作法としては使いまわしたいファイルを開いたら最初に「別名で保存」します。で、別名にしたほうを変更して新しいファイルとして使います。これはワードだろうがエクセルだろうが同じです。オリジナルのファイルはいじってはいけません。

つー: じゃあ同じ名前で日付が付いたファイルがたくさんできるのね。でもどんどん数が増えると探すのが大変じゃない?

mic: 数が増えてきたらフォルダをまた作ってその中に移動すればいいんだよ。例えば半年ごとにフォルダを作るとか、一ヶ月ごとに作るとか。ポイントは保存用フォルダの中に階層化してフォルダを作る点です。そうすればバックアップの時には保存先フォルダを指定するだけで全部コピーしてくれます。

    私の例では次のような構成にしています。

    D:\MY_DATA\EXCEL\2005\
             \2006\
             \2007\
          \WORD\2005\
             \2006\
             \2007\
          \PHOTO\2007\
                \20070103\
                \20070115\ 
                \20070221\
                 :

つー: 「マイドキュメント」の中にたくさんファイルがあるとアイコンがたくさんになって探すのが大変なのよね。1画面に収まるぐらいが見やすいわ。今度からそうしよ。

まとめ:

 ・保存先フォルダはできるだけCドライブ以外。Cドライブしかないときは、別の装置(外付けHDDやUSBメモリー)に定期的にコピーする。

 ・ファイルの使いまわしは元のファイルを開いてすぐに別名保存する。名前は日付などを使って解かりやすく。元のファイルはいじらない。

 ・保存先フォルダにサブフォルダを階層的に作って時系列で名前を付ける。そこに保存することでどれが一番新しいかとか、いつごろ作ったかがわかりやすくすると便利です。

つづく・・・

2007年5月18日金曜日

パソコン用語の基礎知識 「ドライブってなに?」

つー: 前から思ってたんだけど、HDDとかCドライブとか何なの?どの本にも当たり前のように出てきて、大抵説明無しなのよね。

mic: HDDはハードディスクドライブの頭文字です。カタカナ11文字が3文字で済むのでお得でしょ?多分略さずに書くとハードディスクドライブデバイスとなってHDDDになるのかな。ハードディスクを駆動する装置の意味です。パソコン用語では何でも駆動する装置はドライブと呼びます。また装置を制御するソフトはドライバとよびますね。

つー: ハードディスクって何なの?

mic: 直訳で硬い円盤ですね。お話はパソコン黎明期にさかのぼります。当時は外部の記憶装置としてカセットテープを使っていました。主にプログラムの保存用で、1秒間に300バイトからせいぜい1,200バイト程度の記録速度でした。「ピーギャラギャラ・・・」の音で記録されていたのが懐かしいです。今はFAX送信音としてときどき耳にしますね。

    カセットテープの欠点は、先頭から順番に読み出さないといけない点です。データの保存に使うと大変扱いにくくなります。こういう記録した順番にしか読み出せない機械をシーケンシャルアクセスデバイスと呼んでいました。順番的読み書き装置ってとこですね。

    その後、ドクター中松が発明したということになってる、フロッピィディスクドライブ、略してFDDという記録装置が普及してきまして、当時としては大容量の180KB~360KBを高速に読み書きできるようになりました。ペラペラのプラスティック板に磁性体を塗って、同心円上に記録しますので、記録した順番とは関係なく読み書きできます。こういう記憶装置をランダムアクセスデバイスと呼びます。好きなところ読み書き装置です。

    フロッピディスクは大変な勢いで普及しまして、それまではパソコン本体内のIC(ROM)に書き込まれていたシステムプログラム(例えばBASICインタプリタ)しか動作しなかったのを、フロッピィディスクで供給されるいろんなソフトが使えるようになりました。8ビット機はCP/MというOSが普及し、16ビット機ではPC-DOSが普及しました。ウィンドウズのマイクロソフトは、CP/MをマネしてたOSを買ってきて大急ぎで修正してPC-DOSをでっち上げてIBMに納品したというのは有名な話です。

    この頃から、パソコンにはFDDが2台内蔵されているのが標準となりました。1台目のFDDにシステムディスクを入れっぱなしにしておき、2台目のFDDにデータディスクを入れて保存に使っていました。PC-DOS(日本ではMS-DOSとして普及)上での表記が1台目が「A:」、2台目が「B:」でしたので、システムディスクを入れるほうをAドライブ、データディスクを入れるほうをBドライブと呼ぶようになりました。

    フロッピィとは「ペラペラ」という意味で、強度と精度に限界があり、1枚あたり1.4MBあたりが限界でした。パソコンの性能がどんどん向上してくると、FDDでは間に合わなくなってきました。そこで、記録方式はFDDとほぼ同じだけど磁性体をアルミの円盤に塗った物を超高速に回転させて、読み書きする装置が開発されました。FDDのペラペラに対してがっちりしたハードな円盤の駆動装置の誕生です。

    日本では国民機のPC-98シリーズがパソコントップシェアで、MS_DOSをHDDにインストールして、HDDから起動するようにしたところ、HDDがAドライブになり、FDDの表記が1つずつ後にずれるのが仕様でした。ところが、IBM-PC互換機は、HDDが「c:」のままでシステムディスクになり、FDDはそのままA:,B:と表記されてしまいます。その後、PC-98シリーズは淘汰されて、IBM-PC互換機のことをパソコンと呼ぶようになりました。

    こんな背景や歴史があって、「C:」がシステムディスクになっているんです。

つー: 長すぎ~!ところで「c:¥MyDocuments¥」みたいにフォルダの前後に¥記号があるのはなぜ?

mic: これにも歴史がありまして、PC-DOSをマイクロソフトがでっち上げたと言いましたよね。最初のバージョンはホントにシンプルで、CP/Mのマネでしかありませんでした。次のバージョンからは、ワークステーション等で技術者たちに大変支持されていたunixというOSをマネします。unixはマルチユーザー・マルチタスクの本格的なOSで、ディレクトリによる階層構造のファイルシステムを使ってファイルの最大数の壁を解決していました。PC-DOSの初期バージョンはルートに全部保存していたので、数が多くなると探すのが大変になってしまいます。

    unixのファイルパス(ファイルの位置を表す文字列)には仕切り文字として「/(スラッシュ)」を使っていました。PC-DOSではなぜか「\(バックスラッシュ)」を使ったんです。便宜的に全角文字で書きましたがホントは半角です。マネじゃないと言いたかったのかどうかは知りませんが、英語圏のパソコンでは「\」で表示されます。日本のパソコンは日本語表示のためにJISコードを使用しています。英語圏ではASCIIコードを使っています。ASCIIコードとJISコードは似てはいますが一部違いがあり、「\」のコードに「¥」が当てられているんです。

    英語圏の人が日本のパソコンを使うとかなり面食らうと思います。

つー: なんでも歴史があるのね。私は興味ないけど。

つづく・・・

パソコンの作法 保険をかけましょう その1

mic: えーと、仕事でパソコンを使う場合に、うっかりミスで大失敗をしないようにする方法を解説します。

つー: そうそう、そういう話が聞きたいの。二進数とか全然わかんないし。

mic: 二進数は解ってるといろいろ便利なんだけどなぁ。例えば、片手で31まで数えれるとか、点々で絵を描くときに数字に変換しやすいとか・・・

つー: わかったから、早く話を進めてね。

mic: 前々回で、一番怖いのはデータの喪失と言いました。じゃあ、データの喪失を避けるのにはどうすればいいでしょう?

つー: バックアップっていうのをしておけばいいんでしょ?ところでバックアップて何のことなの?

mic: バックアップとは、万が一の場合の保守体制の事です。野球の守備でサードゴロを処理するときのライトの動きなんかもバックアップといいます。サードの送球が逸れると、ファールグラウンドにボールが飛んで行きますよね。先にライトがその辺にいればすぐに捕球してセカンドに投げれます。エラーによる損失を最小限に抑えることをバックアップするといいます。

つー: 野球のルールは知らないし、何を言いたいのかわかりません。

mic: ん~、何かやばい事をしちゃった後に、元に戻せるようにしておくことだと思ってください。最悪でも昨日の状態に戻せるとか、先月までなら戻れるとか。

つー: ええ?今日の分はダメになるの?

mic: 人はミスをするものなので、どうしても被害はでますよ。パソコンでなくても、手書きの契約書を書き終えたあとにコーヒーをこぼしたら、やっぱり書き直さないといけないでしょ?

つー: わかったわ。じゃあ、バックアップって具体的にはどうすればいいの?

mic: 基本的にはコピーをとっておくということです。バックアップ用のソフトも市販されていますし、フリーのソフトもいいのがあります。でも、効果的に使うには多少のコツが必要です。

つー: そのコツって?

mic: データを保存する場所を決めておくって言うことです。コレに尽きます。つーちゃんはどこに保存していますか?

つー: メニューの保存ボタンで開くところに保存してるわよ。みんなそうしてるでしょ?

mic: あ~やばいな~、ということは、Cドライブのマイドキュメントに全部入れてるんでしょ?システムが壊れたら、データも全部道ずれだな、こりゃ。

つー: ええ!なになに!!どういうことなの?危険な場所に保存するようになってるってこと?

mic: 普通は、Cドライブにウィンドウズのシステムっていうのが入っていて、HDDの中でも一番酷使されているんだ。だから、Cドライブが一番故障し安い場所になります。そこに、大切なデータを保存するのは自殺行為ですね。だから、Dドライブとか、外付けHDDに保存するのが宜しいかと思いますよ。

つー: 知らなかったよ~。じゃあ、Dドライブに保存すればいいのね?

mic: 使っているパソコンの構成によってさまざまだから、自分のパソコンに合わせて考えればいいんだけど、DドライブがHDDならば、Dでいいです。中にはHDDはCドライブだけっていうパソコンもあるので、そんなときは、今流行のUSBメモリに保存するのもいいですね。

    長くなるので、続きは次回に。

まとめ:

 ・保存先はCドライブ以外にしたほうがいい

つづく・・・

2007年5月17日木曜日

パソコン用語の基礎知識 「単位」

つー: ねえ、ギガバイトとかメガヘルツとかキロビーピーエスとか、聞き慣れない呼び方のアレってなんのこと?

mic: 全部別のことだから、「アレってなに?」って聞かれたら、「それぞれの単位です」って答えになります。物事の大きさや量を伝えるときに数字を使って表現しますよね。水をコップに1杯とか、本を3冊とか。この「杯」・「冊」の部分を単位といいます。これは数える物ゴトによって違いまして、長さや重さ、時間など、よく使われている量については国際的に厳密なルールが決められています。

    また、数字の桁数が多くなると書いたり読んだりするのに不便なので、3桁増えるごとに単位の前に桁数を表す頭文字をつけて表記します。例えば「100万円」は次のようになります。
    1,000,000円=1,000k円=1M円

    パソコンの用語には電気関係の数字が良く使われているので、結構守備範囲が広くて、ナノ、ピコからギガ・テラまでのいろんな大きさの数字を表現します。詳しいお話は「国際単位系」で調べてください。

つー: なんとなくギガは大きいとかメガも大きいとかキロは少ないという感じはあったけど、それぞれ1000倍も違うのね!で、バイトとかヘルツの意味は?

mic: パソコンで処理できる情報の単位がバイトです。デジタル機器は全てそうですが、いろんな量を数字に変換してから処理します。で、機械が処理するのに都合が良かったのが二進数だったんですね。例えば5を二進数で書くと(101)、255だと(11111111)になります。二進数8桁で表現できる数字をバイトと呼びます。ちなみに二進数一桁の単位はビットといいます。今時のパソコンは32~64ビット機と呼ばれていますが、1回の計算で2の32乗~64乗の数字を扱えます。えーと面倒くさいので表記はしませんが多分私が一生見ることの無いような大きな数字が表現できるんです。

    ヘルツは周波数の単位です。FM放送で80MHzとか書いてあるのは放送局の周波数でして、パソコンでは動作速度の単位となります。パソコンが動作するときに基準の信号がありまして、これをシステムクロックと言います。要は時計に合わせて動いているんです。イメージとしては秒針が一回り進む度にみんなが一斉に動く感じですね。で、秒針を早く回したらどうなります?

つー: 秒針をみて動いてるなら、早回しすれば早く動くよね。

mic: そうです。早く回せば早く動くので、どんどん早くして言ったら、一回りするのに10億分の1秒以下になっちゃったんです。この間隔は光でも30センチぐらいしか進めない時間です。もうぼちぼち限界ですね。まあ、1秒間に何回まわるかを表現しますので周波数が使われています。

    bpsとは「ビット/秒」の頭文字で、1秒間に何ビット伝送できるかを表します。要するに通信速度の単位です。で、8ビットが1バイトと言いますが、bpsを8で割っても「バイト/秒」にはなりません。というのはいろいろと付属の信号を付けて伝送してしまうので単純に転送スピードには読みかえれないのです。大体10で割れば似た数字になる感じですね。

    ところで「30KBのファイルサイズ」とは書きますが、「30kBのファイルサイズ」とは書きません。なぜでしょう?

つー: 間違い探しみたい。キロの文字が大文字なんだ。何か意味があるの?

mic: 1KBは1,024バイトなんです。バイトは二進数の8桁分ですから、キロの単位も2進数で一番キリのいい数字にしてるんです。でも誤差が2%以上あるので、例えば120GBのHDDのホントの容量はカタログや説明書に小さく書いてあるのでみてください。

まとめ:

 ・数字の表記で1000倍ごとに次のような接頭辞が単位に付きます。
  p(ピコ) <n(ナノ) < μ(マイクロ) < m(ミリ) < (無し) < k(キロ) < M(メガ) < G(ギガ) <T(テラ)

 ・ビット・バイトは情報量の単位。1バイト=8ビット。1ビットは二進数の一桁分の情報量。

 ・バイトで1KBと書いてある場合は普通1024Bのこと、ただし、HDDなどのカタログ表記などでは1000Bで換算している場合があります。

 ・ヘルツは周波数の単位。パソコンでは動作速度を表します。また、無線LANなどの使用電波の周波数を表す場合もあります。

 ・bpsは通信の転送速度の単位。1秒間に送れるビット数を表します。

つづく・・・

2007年5月16日水曜日

パソコン用語の基礎知識 「キャッシュ」

mic: 今回からしばらくは、初心者がひっかかりやすい、中級者ももしかしたらよくわからずに使っていそうな用語を解説します。

つー: 前回、さりげなく出てきてた、キャッシュシステムってなに?

mic: えーと、英語でキャッシュというと現金のことですよね。プライベートで買い物に出たときに、会社の買い物を思い出したらどうします?今日は休日で、明日の一番に使う買い物です。もちろん会社のお金は手元にありません。

つー: 立て替えはしません!間に合わなかったら仕事は遅れるかもしれないけど、なんで仕事の買い物を私のお金でしないといけないのよ。

mic: いやいや、仮の話よ、100円の部品ぐらいだったら立て替えてもいいでしょ?

つー: 私は絶対いや!

mic: じゃあ、逆に会社の買出しで・・・あ~ダメダメ、こりゃぁ横領だ、よけいにやばいね。まあ、とにかく正しい手続きをすると、明日出直ししなければいけないけれど、ちょっとルール違反して立て替えとけば、大幅に手間がはぶけますよね。パソコンのなかで、これをすごく頻繁にやってるんです。

つー: 例えばどんなときにズルするの?

mic: 基本的には時間のかかる処理の場合です。よく、パソコンの仕組みを人にたとえますが、いろいろ考えて処理するのは頭ですね。パソコンの場合はCPU(シーピーユー)という部品です。これはすごく早く動きます。

    頭の中にはすぐ思い出せるけどあっという間に忘れてしまう記憶(たとえば今日の朝ごはんとか、さっきの電話の内容など)の短期記憶と、ほとんど忘れることの無い思い出(自分の名前や、日本語のしゃべり方など)の長期記憶があり、短期記憶は一番早く思い出せますが、あまり多くは覚えられません。長期記憶はちょっと時間はかかりますが相当たくさん記憶できます。パソコンで言うと、CPU内部のキャッシュメモリが短期記憶、パソコンのメモリ本体が長期記憶に当たります。

    人もパソコンもいろんな処理をしなけれならないのは同じです。計算するのにまずは元の数字を読みに行かないといけません。帳面やノートを開いて頭に読み込みます。ちなみに帳面やノートはHDD(ハードディスク)に当ります。で、計算したあとノートに書き出さないといけません。この後また同じ数字を使った計算が出てきたら、わざわざ帳面の同じ場所を読みに行かなくても、短期記憶で思い出せますよね?計算結果も同じようにいちいちノートに書き込まず、後でまとめて書き出せば手間が省けます。長期記憶で覚えておいて、一段落したら一斉にノートに書き出します。このことを「フラッシュ」とか「吐き出す」と言ったりします。

    仕事をやめるときは、とりあえず覚えていた数字を全部ノートに書き込んどかないと、計算の途中だったのか、終わった後なのかが解らなくなってしまいます。それで、終了と宣言した後に残業をしなければ終われないのです。シャットダウンの時にHDDがカラコロ一生懸命動くのはウィンドウズが残業してるんですね。シャットダウンせずにいきなり停電したりすると、残業無しで強引に仕事を終えますので、次回仕事を始めるときに、これは途中なのか、終わったものなのか解らずにエラーになったりするんです。

つー: 長いなぁ。要は着服したお金のつじつまが合わなくなって、クビになったりするわけね。

mic: まあ、そういうことです。こんな仕組みがいたるところにあって、それで処理速度を稼いでるんです。すべての部品の処理速度が同じならこんな仕組みはいらないんですけどね。

つづく・・・

2007年5月13日日曜日

パソコンを壊す「よっぽど変な事」って?

mic: 今日は初心者がもっとも恐れる、パソコンを壊しちゃいかねない操作ミスについて考えます。

つー: ねぇねぇ、パソコンの調子が悪くなったときに、なんかゴソゴソして元に戻したりしてるけど、アレって故障してるの?

mic: 故障してたら、ゴソゴソしても直らないよ。なんとなく調子が悪いってのは、大抵ソフトの問題だね。バージョンの古いアプリをインストール・・・、えっと、昔のソフトをパソコンに入れちゃったりすると、今のウィンドウズのルールを守ってなかったりして、内部的にエラーが発生したりするんだ。

    ところで、つーちゃんはパソコンを使ってて一番やばい事は何だと思う?

つー: やっぱり、故障して使えなくなることじゃない?

mic: 代わりのパソコンを買うなり借りてくれば使えるでしょ?だから故障はホントは大して怖くないんだ。

つー: じゃあ、ワードやエクセルの調子が悪くなることかな?

mic: 使い慣れたソフトが使えないのは痛いけど、また最初からインストールし直せば元に戻るよ。私が一番怖くて、致命的だと思うのは、自分で作ったデータ、たとえばワードやエクセルの文書とか、電子メールの記録とかが、消えちゃう事なんだ。これが消えるとお金や時間じゃ元に戻らないからね。

つー: そうそう、前に会社のフロッピィが読めなくなっちゃって、しかたなく印刷したシートからエクセルの文書を作り直したことがあったもの。あれはもうしたくないわ。

mic: プリントアウト(印刷物)が残っていればまだマシな方だよ。私なんざ、1ヶ月分の仕事がパァになったこともありますよ!バックアップしなきゃいけないな~と思い始めた頃に120GBのHDDが昇天だなんて、呪われてます。

    ということは、データのバックアップをマメに取っていれば少々のトラブルがあっても大丈夫ってことです。

つー: でも、データが入ってる機械が故障したらやっぱりデータが消えちゃうんでしょ?

mic: そう、そのとおり!だからバックアップはいろんなところにとって置かないと安心はできないんだ。データのバックアップはまた今度べつの回で説明します。

    それではつーちゃんに質問です。パソコンで一番故障しやすいところはなーんだ?

つー: ???中に何が入ってるか知らないもん。壊れたパソコンって外見は何も変わらないよ。

mic: そうか、知らない人には難しいんだよね。答えは機械的に動作している部品でした。例えばキーボードやマウスのボタンは手で動かしてるよね?当然使えば使うほどヘタってきます。他にはモーターが回ってる部品、電源ファンとかHDD・CDドライブなんかも軸受けが磨耗すると故障します。CPUファンなんかは止まるとパソコンの頭脳が焼き切れてしまいます。

    今言ったのは部品の寿命のお話だけど、不慮の事故も起こるよね?

つー: だいぶ前に、キーボードの上にお茶をこぼして、あわてて拭いたけど中に入っちゃた。別に故障はしなかったけど。

mic: ん~気をつけてね。今時のキーボードは基盤側に水が入りにくい構造になってるのかな?パソコンも電気製品だから、水気は厳禁です。最悪感電や火災が発生します。

    ディスクトップ型据え置きタイプのパソコンはあまり起きませんが、ノートタイプは落下事故や踏んづけたりして、液晶画面を割っちゃうのよね。こういう物理的な破損も起こります。落っことしても大丈夫なパソコンは大変高価ですよ。

つー: パソコンは高い機械だから大事に扱いなさいって事ね。これが「よっぽど変な事」の正体?

mic: もうひとつが、他の電気製品と一番違うところなんですが、電気をいきなり切ってはいけないって事なんです。

つー: あれ?最近のパソコンは電源スイッチを押せば良いって説明書に書いてあるわよ。昔のパソコンは画面が黒くなってからスイッチを切らないといけないって教わったけど。

mic: 今のウィンドウズXPが動いてるようなメーカー製パソコンは、電源管理機能で電源スイッチを押したらシャットダウン(終了手続き)を開始するようになってるけど、5秒以上長押しすると強制的に電源が落ちちゃいます。あと、コンセントの抜けや停電なども電源の強制切断となり、パソコンにダメージがあります。

つー: 電気的に故障しちゃうのかな?

mic: これは電気的な問題じゃなくて、ソフト的な問題です。主にHDDの書き込みの動作が終了していないときにパソコンの電源が切れると、HDD内部の整合性が取れなくてファイルが破損してしまうんです。ファイルなら1つのファイルが壊れたで済みますが、ファイルやフォルダの管理情報をたまたま書いていたら、被害が甚大になります。

つー: でも、電源を切るときは、保存は終わってるから大丈夫じゃないの?

mic: ウィンドウズはキャッシュシステムを使ってるから、保存が終わっててもHDDにはまだ書き終わってないことは十分あります。書いたことにして、暇なときに実際に書き込むことで、次の仕事がてきぱきとこなせるんです。でも、最後にはきっちり書き出さないといけません。

    つまり、パソコンの電源は必ずシャットダウンしてから切る事が大事です。

まとめ:
 取り返しがつかない「よっぽど変な事」とは

 ・自分や会社のデータを消すような行為 →削除や上書き保存には気をつける。
 ・浸水や落下事故等の物理的破損  →高いモノだから大事にしなさい。
 ・電源の突然の切断 →配線や電源周りの整理整頓を心がけ、シャットダウンを必ずすること。

つづく・・・

2007年5月12日土曜日

つーちゃん&micのパソコン再入門

mic: はじめまして!自称パソコンスペシャリストのmicです。パソコンのスキルは個人差がありますが、私のレベルになるまではそれはそれは大変な時間と努力が必要だったんです。私がパソコンと始めてであったのは中学2年の夏だったかな~・・・

つー: ハイハイ!つーちゃんです!私はフツーのOLよ。パソコンで仕事をするようになって6年目。まだまだ使いこなしてるレベルじゃないかな。いろいろ自分流で仕事をしてます。でも、もっと簡単に仕事が片付けばいいのにな。

mic: と言うわけで、「ケータイじゃなくてパソコンでネットしたい」とか、「パソコンを使ってはいるけれど、パソコンを上手に使っている人と比べると何かやり方が違ってるみたい」とか思っている、パソコン超初心者~中級者向けに、いろはのイからもう一度マスターしていきましょう。ちょうどここに良いサンプルがいますので、彼女がつまずいた所を重点的におさらいして行きましょう。

つー: あたしゃモルモットかい!でも、仕事が楽になるなら協力してもいいかな。

mic: ところでつーちゃんは、パソコンに始めて触りはじめた頃に何を思ってた?

つー: えーと・・・会社のパソコンでエクセルのシートを作るようになって、よくわからなくてメニューバーとか変なところを触って壊れるのがイヤだったんで、できるだけ使ったことのないメニューは触らないようにしていたかな?だって、パソコンのソフトって気が付かない内に変わったりするでしょ?

mic: もっ、もしかして、手書きの計算書を清書するためにエクセルを使ってたのかな?

つー: いいじゃない!見た目が大事なのよ、見た目が!いまは集計とかバリバリ使ってるんだから。

mic: ときどき、やたらさっぱりしていて寂しげなエクセルやワードの画面を見かけます。どうも、ツールバーをドラッグして、フロートウィンドウになっちゃって、閉じてしまって、次に起動したときには表示されなくなっちゃった様です。

つー: それそれ、ツールバーだとか、ドラッグだとか、フローティングウィンドウだとか、上級者の人ってやたらにカタカナでしゃべるでしょ?そこがわかんないのよ。なんとかならない?日本語でしゃべってよ。

mic: もともと日本の文化じゃないからカタカナになっちゃうんだよ。まぁ、できるだけわかりやすく説明するよ。えーと、機能ボタンの並びがマウスで動かせるじゃない。あれをエクセルの枠の内側に置いちゃうと、小さなウィンドウになるよね。でも下の表が隠れちゃうから邪魔でしょ?で、大抵の人は×ボタンを押して閉じちゃうんだ。するとエクセルは、「この人はこの機能ボタンを使わない様に設定した」と判断して、次回からは表示しなくしてしまうんだ。もちろん、元に戻せるんだけどね。

つー: やりたい事の仕方がいくつもあるのがいけないのよ。気が付いたら今までと違う画面になってたら「壊しちゃった!!」って思うじゃない。

mic: 大丈夫だよ、よっぽど変なことしない限り壊れることはないから。

つー: その「よっぽど変なこと」が初心者は解らないから悩むんじゃない。

mic: じゃあ、最初は「よっぽど変なこと」を具体的に挙げていこうかな。

つづく・・・