2007年5月18日金曜日

パソコン用語の基礎知識 「ドライブってなに?」

つー: 前から思ってたんだけど、HDDとかCドライブとか何なの?どの本にも当たり前のように出てきて、大抵説明無しなのよね。

mic: HDDはハードディスクドライブの頭文字です。カタカナ11文字が3文字で済むのでお得でしょ?多分略さずに書くとハードディスクドライブデバイスとなってHDDDになるのかな。ハードディスクを駆動する装置の意味です。パソコン用語では何でも駆動する装置はドライブと呼びます。また装置を制御するソフトはドライバとよびますね。

つー: ハードディスクって何なの?

mic: 直訳で硬い円盤ですね。お話はパソコン黎明期にさかのぼります。当時は外部の記憶装置としてカセットテープを使っていました。主にプログラムの保存用で、1秒間に300バイトからせいぜい1,200バイト程度の記録速度でした。「ピーギャラギャラ・・・」の音で記録されていたのが懐かしいです。今はFAX送信音としてときどき耳にしますね。

    カセットテープの欠点は、先頭から順番に読み出さないといけない点です。データの保存に使うと大変扱いにくくなります。こういう記録した順番にしか読み出せない機械をシーケンシャルアクセスデバイスと呼んでいました。順番的読み書き装置ってとこですね。

    その後、ドクター中松が発明したということになってる、フロッピィディスクドライブ、略してFDDという記録装置が普及してきまして、当時としては大容量の180KB~360KBを高速に読み書きできるようになりました。ペラペラのプラスティック板に磁性体を塗って、同心円上に記録しますので、記録した順番とは関係なく読み書きできます。こういう記憶装置をランダムアクセスデバイスと呼びます。好きなところ読み書き装置です。

    フロッピディスクは大変な勢いで普及しまして、それまではパソコン本体内のIC(ROM)に書き込まれていたシステムプログラム(例えばBASICインタプリタ)しか動作しなかったのを、フロッピィディスクで供給されるいろんなソフトが使えるようになりました。8ビット機はCP/MというOSが普及し、16ビット機ではPC-DOSが普及しました。ウィンドウズのマイクロソフトは、CP/MをマネしてたOSを買ってきて大急ぎで修正してPC-DOSをでっち上げてIBMに納品したというのは有名な話です。

    この頃から、パソコンにはFDDが2台内蔵されているのが標準となりました。1台目のFDDにシステムディスクを入れっぱなしにしておき、2台目のFDDにデータディスクを入れて保存に使っていました。PC-DOS(日本ではMS-DOSとして普及)上での表記が1台目が「A:」、2台目が「B:」でしたので、システムディスクを入れるほうをAドライブ、データディスクを入れるほうをBドライブと呼ぶようになりました。

    フロッピィとは「ペラペラ」という意味で、強度と精度に限界があり、1枚あたり1.4MBあたりが限界でした。パソコンの性能がどんどん向上してくると、FDDでは間に合わなくなってきました。そこで、記録方式はFDDとほぼ同じだけど磁性体をアルミの円盤に塗った物を超高速に回転させて、読み書きする装置が開発されました。FDDのペラペラに対してがっちりしたハードな円盤の駆動装置の誕生です。

    日本では国民機のPC-98シリーズがパソコントップシェアで、MS_DOSをHDDにインストールして、HDDから起動するようにしたところ、HDDがAドライブになり、FDDの表記が1つずつ後にずれるのが仕様でした。ところが、IBM-PC互換機は、HDDが「c:」のままでシステムディスクになり、FDDはそのままA:,B:と表記されてしまいます。その後、PC-98シリーズは淘汰されて、IBM-PC互換機のことをパソコンと呼ぶようになりました。

    こんな背景や歴史があって、「C:」がシステムディスクになっているんです。

つー: 長すぎ~!ところで「c:¥MyDocuments¥」みたいにフォルダの前後に¥記号があるのはなぜ?

mic: これにも歴史がありまして、PC-DOSをマイクロソフトがでっち上げたと言いましたよね。最初のバージョンはホントにシンプルで、CP/Mのマネでしかありませんでした。次のバージョンからは、ワークステーション等で技術者たちに大変支持されていたunixというOSをマネします。unixはマルチユーザー・マルチタスクの本格的なOSで、ディレクトリによる階層構造のファイルシステムを使ってファイルの最大数の壁を解決していました。PC-DOSの初期バージョンはルートに全部保存していたので、数が多くなると探すのが大変になってしまいます。

    unixのファイルパス(ファイルの位置を表す文字列)には仕切り文字として「/(スラッシュ)」を使っていました。PC-DOSではなぜか「\(バックスラッシュ)」を使ったんです。便宜的に全角文字で書きましたがホントは半角です。マネじゃないと言いたかったのかどうかは知りませんが、英語圏のパソコンでは「\」で表示されます。日本のパソコンは日本語表示のためにJISコードを使用しています。英語圏ではASCIIコードを使っています。ASCIIコードとJISコードは似てはいますが一部違いがあり、「\」のコードに「¥」が当てられているんです。

    英語圏の人が日本のパソコンを使うとかなり面食らうと思います。

つー: なんでも歴史があるのね。私は興味ないけど。

つづく・・・

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