2007年5月16日水曜日

パソコン用語の基礎知識 「キャッシュ」

mic: 今回からしばらくは、初心者がひっかかりやすい、中級者ももしかしたらよくわからずに使っていそうな用語を解説します。

つー: 前回、さりげなく出てきてた、キャッシュシステムってなに?

mic: えーと、英語でキャッシュというと現金のことですよね。プライベートで買い物に出たときに、会社の買い物を思い出したらどうします?今日は休日で、明日の一番に使う買い物です。もちろん会社のお金は手元にありません。

つー: 立て替えはしません!間に合わなかったら仕事は遅れるかもしれないけど、なんで仕事の買い物を私のお金でしないといけないのよ。

mic: いやいや、仮の話よ、100円の部品ぐらいだったら立て替えてもいいでしょ?

つー: 私は絶対いや!

mic: じゃあ、逆に会社の買出しで・・・あ~ダメダメ、こりゃぁ横領だ、よけいにやばいね。まあ、とにかく正しい手続きをすると、明日出直ししなければいけないけれど、ちょっとルール違反して立て替えとけば、大幅に手間がはぶけますよね。パソコンのなかで、これをすごく頻繁にやってるんです。

つー: 例えばどんなときにズルするの?

mic: 基本的には時間のかかる処理の場合です。よく、パソコンの仕組みを人にたとえますが、いろいろ考えて処理するのは頭ですね。パソコンの場合はCPU(シーピーユー)という部品です。これはすごく早く動きます。

    頭の中にはすぐ思い出せるけどあっという間に忘れてしまう記憶(たとえば今日の朝ごはんとか、さっきの電話の内容など)の短期記憶と、ほとんど忘れることの無い思い出(自分の名前や、日本語のしゃべり方など)の長期記憶があり、短期記憶は一番早く思い出せますが、あまり多くは覚えられません。長期記憶はちょっと時間はかかりますが相当たくさん記憶できます。パソコンで言うと、CPU内部のキャッシュメモリが短期記憶、パソコンのメモリ本体が長期記憶に当たります。

    人もパソコンもいろんな処理をしなけれならないのは同じです。計算するのにまずは元の数字を読みに行かないといけません。帳面やノートを開いて頭に読み込みます。ちなみに帳面やノートはHDD(ハードディスク)に当ります。で、計算したあとノートに書き出さないといけません。この後また同じ数字を使った計算が出てきたら、わざわざ帳面の同じ場所を読みに行かなくても、短期記憶で思い出せますよね?計算結果も同じようにいちいちノートに書き込まず、後でまとめて書き出せば手間が省けます。長期記憶で覚えておいて、一段落したら一斉にノートに書き出します。このことを「フラッシュ」とか「吐き出す」と言ったりします。

    仕事をやめるときは、とりあえず覚えていた数字を全部ノートに書き込んどかないと、計算の途中だったのか、終わった後なのかが解らなくなってしまいます。それで、終了と宣言した後に残業をしなければ終われないのです。シャットダウンの時にHDDがカラコロ一生懸命動くのはウィンドウズが残業してるんですね。シャットダウンせずにいきなり停電したりすると、残業無しで強引に仕事を終えますので、次回仕事を始めるときに、これは途中なのか、終わったものなのか解らずにエラーになったりするんです。

つー: 長いなぁ。要は着服したお金のつじつまが合わなくなって、クビになったりするわけね。

mic: まあ、そういうことです。こんな仕組みがいたるところにあって、それで処理速度を稼いでるんです。すべての部品の処理速度が同じならこんな仕組みはいらないんですけどね。

つづく・・・

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